令和8年度 学校だよりNO03(図解版)

令和8年度 学校だよりNO03(図解版)

#リスペクトから考える「いじめ」のこと

〜安心して過ごせる学校を、みんなでつくるために〜

新年度が始まり、約2か月が過ぎました。新しい学級、友達、先生との出会い。そして、学校行事。これらを経て慣れてきた生徒も多いと思います。一方で、この時期は、人間関係の疲れや小さなズレが見え始める時期でもあります。

だからこそ、今、本校では改めて、「いじめ」について、一緒に考えていきたいと思います。

「悪気がなかった」で、人は傷つくことがある

近年、いじめについての研究は大きく進んでいます。その中で分かってきたことの一つは、以下の事実です。

加害者自身が、気づかずに相手を傷つけていることがある

「遊びだった」「ノリだった」「みんな笑っていた」「相手も嫌がっていないと思った」
そうした認識のまま、人を深く傷つけてしまうことがあります。

本校では、「悪気がなければ仕方ない」とは考えません。同時に、「悪い人を探して終わり」にもしません。大切なのは、「なぜ、その状況が起きたのか」「どうすれば安心して過ごせる環境になるのか」を考えることです。

「力の差」があると、人は「やめて」を言えなくなる

いじめの研究における、1つ目の重要なキーワードをご紹介します。

アンバランス・パワー(力の差)の構造
無意識の「強い力」
  • 人数の差(複数対一人など)
  • 先輩と後輩の関係
  • 学級内での立場・グループ
  • 部活動での影響力の大きさ
  • SNSでの発信力や繋がり
受ける側の状態
「力の差」があるため、本当は嫌でも「やめて」と言えない、反撃できない。

例えば、「3人で1人に言う」「先輩が後輩に言う」「クラスの中心の人が言う」。
そうすると、本当は嫌でも、周囲に合わせて笑うしかなくなることがあります。

周りから見ると「ふざけ合っている」ように見えても、本人は苦しんでいる場合もあります。しかし、加害側はその「力の差」に気づいておらず、「仲が良いと思っていた」「これくらい普通だと思っていた」と考えてしまうことがあるのです。

「間違った考え」が起きることがある

2つ目の重要なキーワードは、「シンキング・エラー(間違った考え)」です。

人は、自分が悪いことをしているとは思いたくありません。そのため、自分の行動を都合よく正当化してしまうことがあります。

シンキング・エラー(認識のすれ違い)
加害側の思い込み(シンキング・エラー)
「相手も楽しんでいるはず」「嫌なら言えばいい」「みんな笑っているから大丈夫」
見落とされがちな事実
本人に悪気がないまま、相手を深く傷つけている。相手は「力の差」から嫌だと言えないだけ。

だからこそ、本校では、「力の差はなかったか」「相手は本当に嫌ではなかったか」を立ち止まって考えることを大切にしていきたいと思っています。

実は「周りの人」が大きな力を持っている

いじめの約80から85パーセントは、「周りに人がいる場所」で起きていると言われています。つまり、多くの場において「見ている人(傍観者)」がいます。そして、研究によって次の希望ある事実が分かっています。

【データ】周りの人の行動が持つ影響力
80-85% いじめの発生場所に周りの人がいる割合
約57% 行動を起こした時、数秒以内に止まる確率
大切な「誰かを守る行動」の例
「一緒にトイレに行こう」と声をかける
「あっちで先生が呼んでるよ」と連れ出す
先生や身近な大人にこっそり相談する

この行動は、勇気を出して直接立ち向かう行動だけではありません。その場から離れるきっかけを作ったり、大人に相談したりすることも、立派な「誰かを守る行動」です。

「#リスペクト」の学校へ

自分自身を大切にすること。環境や立場を越えて、相手を大切にすること。
安心して過ごせる学校は、大人だけでつくることはできません。生徒一人一人の言葉、行動が、リスペクトの学校をつくっていきます。

6月は「ふれあい月間」です。生徒たちと改めて「いじめ」について考えます。ご家庭・地域の皆様とも連携しながら、生徒たちが安心してSOSを出せる学校づくりを、引き続き進めてまいります。

公開日:2026年05月27日 17:02:07
更新日:2026年05月28日 14:54:27