令和8年度 学校だよりNO04(図解版)
学校生活には「比べる」場面がある
学校生活には、どうしても「比べる」場面があります。テストの点数、順位、部活動の勝敗、発表の出来栄え、運動の得意・不得意。さらに、生徒たちにとっては、容姿や髪型、雰囲気、持ち物、友人関係なども、大きな比較の対象になることがあります。
「あの人の方が勉強ができる」「あの人の方が人気がある」「あの人の方がかわいい、かっこいい」。
大人から見ると小さなことに思えるようなことでも、生徒にとっては決して小さくありません。鏡の前で髪型がなかなか決まらない。人からどう見られているかが気になる。友達の一言や周囲の視線に心が揺れる。それは、自分という存在を少しずつ意識し始める時期だからこそ起こる、自然で切実な心の動きです。
「人と比べること」は全て悪いわけではない
人と比べることが、全て悪いわけではありません。友達の努力に刺激を受けて、「自分も頑張ろう」と思うことがあります。仲間の姿から学び、自分を高めていくこともあります。互いに切磋琢磨する関係は、人を成長させる大切な力にもなります。
しかし、「人に勝つこと」や「人より上であること」そのものが目的になってしまうと、心は次第に苦しくなります。
せっかくの努力が、比べる相手によって色あせてしまう現象
勝つことだけを拠り所にすると、勝っても安心できず、負ければ自分を追い詰めてしまいます。
比較は、自分の見え方を変えてしまう
これは、勉強や運動だけの話ではありません。自分なりに整えた髪型も、誰かと比べた瞬間に不安になる。自分らしく過ごしていたはずなのに、誰かの姿を見た途端に、自信が揺らぐ。それまで何とも思っていなかった自分自身が、急に足りないもののように見えてしまう。比較とは、時にそのようにして自分の見え方を変えてしまいます。
反対に、人よりよい結果を出したときも、「次も勝たなければならない」「今度負けたらどうしよう」と不安になることがあります。人との競争だけを拠り所にすると、負ければ落ち込み、勝っても安心できません。それでは、せっかくの努力が、自分を支える力ではなく、自分を追い詰める力になってしまいます。
大切なのは「昨日の自分」と比べること
人は誰でも、「今よりよくなりたい」という願いをもっています。できなかったことができるようになりたい。分からなかったことを分かるようになりたい。昨日より少し前へ進みたい。今の自分を、少しでも好きになりたい。この願いは、人が成長していくための自然で健やかな力です。
「前より早く準備できた」「苦手なことに少し粘れた」
順位には現れない小さな変化こそが、とても大切な成長です。
成長は、いつも点数や順位に表れるとは限りません。「前よりも早く準備ができるようになった」「苦手な教科でも少し粘れるようになった」「言い返す前に一度考えられるようになった」「困っている人に声をかけられた」「人の目を気にしすぎて苦しくなったときに、少し深呼吸できた」こうした変化は順位には現れません。しかし、学校生活において、とても大切な成長です。
「#リスペクト」の学校へ
私たちは、ともすると人生を「上か下か」で見てしまいます。しかし、人の歩みは本来、「上と下」だけで測れるものではありません。少し先を歩いている人がいる。これから学ぼうとしている人がいる。ある分野では得意でも、別の分野では誰かに助けてもらうことがある。人は誰もが、そのように支え合いながら歩いています。
自分を低く見ることでもない
もらう
誰かを支えるために使う
本校が大切にしている「#リスペクト」とは、相手を自分より上に置くことでも、自分を低く見ることでもありません。一人一人を、かけがえのない存在として認め、それぞれが自分の歩幅で前に進もうとしていることを尊重することです。
比べる相手は、隣の人ではありません。昨日の自分です。そして、自分が身に付けた力は、人に勝つためではなく、誰かを支えるために使う。そのような考え方が広がるとき、学校は安心して挑戦できる場所になります。一人一人が昨日の自分より少し前へ進むこと。その積み重ねが、学校を温かくし、子どもたちの未来を確かなものにしていくのだと思います。
公開日:2026年06月25日 13:06:43
更新日:2026年06月25日 13:40:01